緩和ケア・内科・再生医
がん(癌)、緩和ケア、家族相談外来(第5日曜)
進行した癌などの疾患がある方は、痛みなどの身体症状だけではなく、精神的な問題、療養場所の選択など、様々な苦痛と向き合うことになります。
実践的緩和医療・総合診療の第一人者であり、医師だけでなく公認心理師の資格も有する当院副院長:宇井睦人が、多種多様な苦痛を伴っている方のサポート、苦悩との向き合い方のアドバイスなどをさせて頂きます。
また、本人とどう向き合うか悩まれている、ご家族のみのご相談も受け付けております。
遠方の方はオンライン診療で対応させて頂きます。
※当院からの麻薬などの処方は原則、行いません
緩和ケアの対象となる方とは
- 進行がんなど、治癒困難な疾患を患っておられる方 <診断時から、治療中・治療後など、時期は問いません>
- 重い疾患の患者さんのご家族 <「家族は「第二の患者」とも呼ばれています>
※精神的な苦悩など、痛みなどの身体症状以外も対象になります。
※対象となる主な症状……痛み、だるさ、不眠、不安、気分の落ち込み、など
★当院の緩和医療外来では何でもお話できる場であることを特徴としていますが、主に下記のような内容が相談できます。
- ご家族が重い病気(特に、進行がん等)を患っており、悩んでいることがある
- 現在のがん治療で良いか等、全般的なアドバイス(抗がん剤などの選択については主治医にお尋ね下さい)
- 治療中の生活で気をつけること
- AYA世代(思春期・若年成人)のがん相談 <ご家族の方のみの受診も可です>
- がんを患っている方が、子供にご自身の病気のことを伝える支援
- 介護の悩み、人生会議の支援
- 終末期医療・延命治療の悩み(認知症や老衰など、患者さんの意思を確認することが難しい場合などにどこまでの治療を受けさせれば良いか等の悩み)
- その他の各種相談、話を聴いてほしい、健康・医療情報に関して正しい知識を教えてほしい、老いや衰えの問題等
上記など、あらゆる事柄の相談可能です。事前の下調べが必要な場合もありますので、予約時に疾患名・内容をご教示ください。
※がん(癌)、緩和ケア、家族相談外来を受診する効果とは
「生命を脅かす病とその関連する問題に直面している患者とその家族に対し、身体的・精神的なつらさを軽減し、重大な問題の発生を予防し、生活の質を維持・向上すること」です。
それぞれの価値観のもと、疾病が高度進行した場合は適切な療養場所の選定も含めて、穏やかに時間を過ごせるような支援を最後まで行っていきます。
- 生存期間の延長(症状緩和、あるいは適切な延命による)
- 苦痛症状・つらい症状の改善
- 不安と抑うつの軽減
- (適切な医学的助言による)終末期の無益な化学療法の使用の減少
- 家族の満足と生活の質の向上
- (適切な医療機関への紹介等による)ヘルスケアリソースのより良い利用
現在の保険診療には限界があります。医療者も努力をしていますが、
- 外来の待ち時間は長いが、一人一人にかけられる時間が短い
- したがって、十分に質問をしたり、治療等についてしっかりと理解できないまま外来が終わってしまうことがある
- そのため、治療や方針が合っているかどうかの判断が難しくなり、医療者との巡り合いも含めて「運次第」の要素がある
- また緩和医療・総合診療の専門家が不足しており、生活の質の観点から助言をしてくれる存在が必ずしも多くない
という状況が存在しています。
当院が提供し、確実に一定の時間を確保する外来は、上記の問題を解決するものです。
- 短い時間を気にしながら質問する必要がない
- なんでも質問できる
- 話しやすい医師なので、自分の考えを伝えやすい
- 医学的な判断が必要な件にも答えてもらえる
- 療養上の細かな疑問も聞くことができる
- 適切な薬剤の助言ももらえる
- 担当者が固定されているので安心(毎回医師が変わったり、診療経験が浅いなどの心配がない)
- (必要に応じて、病状進行時に)適切な医療機関への橋渡し役となってもらえる。がん・医療難民にならない
- セカンドオピニオン、医療アドバイザー的な利用ができる
医師面談料(自費)
1時間以内 | 22,000円(税込) |
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※以降30分毎に11,000円追加
副院長 宇井 睦人 ご挨拶

患者さんの希望を良く傾聴し心理・社会背景に配慮しつつ、過不足のない診療を提供することを心がけています。
性格は明るく社交的かつ温厚で、患者さんやご家族と十分なコミュニケーションを行いつつ、患者さんに最適な医療をご提案します。
医療者向けの実践的な緩和医療のレクチャーでは、前日の告知にも関わらず100名以上の参加者を集める実力派講師としても知られています。
副院長 医師・公認心理師 宇井 睦人
略歴
順天堂大学医学部を卒業後,東京都立多摩総合医療センターで離島医療を含む全科型の救急・総合診療の研修を積む.平均余命1年の難病の娘を授かったことから緩和医療を志し,東京医療センター・川崎市立井田病院・順天堂大学病院などで在宅を含めた幅広い緩和医療を学ぶ.大学教員として、医学生の卒前教育にも従事している。
所属学会・資格
- 日本緩和医療学会 認定医・研修指導医
- 日本内科学会 総合内科専門医・指導医
- 日本プライマリ・ケア連合学会 家庭医療専門医・指導医
- 日本専門医機構 総合診療領域 特任指導医
- 医療政策学修士
関連図書
緩和ケアポケットマニュアル(改訂2版)
著者:宇井 睦人
単行本:169ページ
医師・看護師・薬剤師などが必要な事を現場でサッと確認できるマニュアル本.
緩和ケアの疼痛コントロールを中心に,病棟・外来・在宅など具体的な利用シーンを踏まえた豊富なTipsを簡潔に記述.
巻末資料にはオピオイド換算表などがまとまっており,現場で本当に必要な情報を持ちやすく見やすいサイズにまとめました.通読すれば緩和ケアに必須の知識を一気に獲得することも可能です。
まるっと!アドバンス・ケア・プランニング
編集:宇井 睦人
単行本:136ページ
決して一筋縄ではいかない現場でのアドバンス・ケア・プランニング(ACP)について、疾患別(がん・非がん疾患)やシチュエーション別(外来・病棟・在宅)、ライフステージ別(小児・妊婦)の考え方や進め方、さらに職種別の患者さんへの関わりかたを解説し、いろんな視点で“まるっと”ACPを取り上げます。